サイトカインストームとは

つらい症状はウイルスの攻撃のせい？

　私たちがウイルスに感染すると、身体が怠くなり食欲も無くなります。
　そして、震えがきて、熱が上がってきます。
　頭痛がしたり、身体の節々も痛くなってきます。
　このような症状は、身体の防御反応として現れているものなのです。
　けっして、ウイルスによって身体が侵されているからではありません。

　頭痛がしたり、怠くなることで、出歩くのをやめます。
　食事をやめることで、消化や吸収など、エネルギーの浪費を防げます。
　そのエネルギーで、持続的に高熱を生み出すことができるのです。
　なぜ、そこまでして、身体は熱を上げるのかというと…
　ウイルスは熱に弱く、体温が40℃になると６時間で死滅すると言われています。
　（脳は、41℃くらいは十分に耐えられます）
　人の身体は、もともと感染症に対応できるように作られているのです。

　特に、子どもたちは、免疫力が旺盛です。
　そのため、ウイルスに感染すると、速やかに熱を上げることができます。
　そして、ウイルスを排除できたら、自然に熱が下がります。
　人は、そうやって、免疫力が鍛えられていくのです。

　私たちのご先祖様は（動物の時代から）、こうした命のはたらきに従ってきました。
　動物は、病気になったら、捕食活動をやめて、巣穴にこもって安静にしています。
　そうやって、生き残り、進化しながら、今に生きる私たちの命につながっているわけです。
　でも、私たち人類は、ずいぶん頭でっかちに進化しました。
　身体からのメッセージを素直に聞き取ることができなくなったのです。

　食欲もないのに「いっぱい食べて体力を付けないと…」と言って無理やりに食べさせます。
　熱が出たら、すかさず解熱剤を飲ませます。
　良かれと思ってのことなのですが、逆効果にしかなりません。
　無理に食べると、内臓に負担をかけてしまいます。
　消化や吸収のために、無駄にエネルギーが浪費されてしまいます。
　栄養分が吸収されると血液中の免疫細胞も活動できません。
　解熱剤で、熱が下げられると、ウイルスの活動も抑えられません。
　結果的に、感染を長引かせ重症化につながってしまうのです。

　私たちは、ひたすら知識を詰め込むだけの教育を受けてきました。
　そのため、何でも鵜呑みにする癖がついてしまっています。
　その知識や理屈が、事実に沿っているか検証する術を知りません。
　そして、日々、風邪薬のキャッチコピーも耳にしてきました。
　身体がしんどいのは高熱のせいだと思わされてきました。
　親からも、｢お薬を飲まないと治らないよ｣と聞かされてきました。
　メディアのあおり報道で、感染症の恐怖が植え付けられてきました。
　つまり、私たちの脳の回路には「ウイルスは怖い」「病気は薬で治す」「熱は悪いもの」という観念が根深く刻み込まれているのです。

免疫システムの暴走が始まる

　でも、もし、解熱剤で平熱にまで下げられてしまうと、ウイルスのほうは元気を取り戻し増殖を始めます。
　免疫システムのほうは、さらに熱を上げなければなりません。
　そのせめぎ合いが続くのです。
　これは、ブレーキとアクセルを同時に踏み込んでいる状態です。
　これでは、身体も混乱し、暴走してしまいます。

　これを、サイトカインストーム（サイトカインの嵐）といいます。
　サイトカインというのは、私たちの免疫を指揮する重要な物質です。
　でも、そのサイトカインは、増えすぎると毒になります。
　そして、身体の様々な組織を損傷させることになってしまいます。
　本人は、熱が下がって安心していると、病状が急変して、突然、亡くなってしまうわけです。
　これが、脳症や急性肺炎、多臓器不全といわれている病態です。

　でも、こうした事実は、一般には伏せられています。
　たとえば、インフルエンザにかかって脳症になったとします。
　すると、インフルエンザ脳症と診断されるのです。
　つまり、脳症をインフルエンザウイルスのせいにしているわけです。
　なので、誰も、薬剤が脳症の原因になっているとは気づきません。
　メディアのほうも盛んにインフルエンザ脳症の恐怖をあおります。
　そして、不安に駆り立てられた多くの人が、安心を得るためタミフルや解熱剤に走ります。
　それによって、結果的に、脳症のリスクを背負うことになっているのです。
　インフルエンザウイルスが身体を攻撃するのではありません。
　また、薬が病気を治すのでもありません。
　安心は、自らの「いのち」の自覚からもたらされるのです。