コレステロールと善悪二元論
私たちは、つい物事を、善と悪とに分けて考えてしまう善悪二元論に陥りがちです。
善玉・悪玉コレステロール、善玉・悪玉菌、益虫・害虫など。
でも、この世の中に、客観的な善や悪などありません。
たとえば、人も、善人と悪人のどちらかに分けることはできません。
人それぞれに、良い面もあれば悪い面もあり、それは、時と場合によっても変わってきます。
Aさんにとっては善人、Bさんにとっては悪人、と映ることもあります。
悪人と言われていた人も、反省して善人になることもあるのです。
つまり、この世の中は、相対的産物であり、諸行無常(常に運動変化している)です。
その前提を無視して、一面的に捉え、単純化し、固定化しているのが今の科学の考え方です。
このように、状況(事実)の把握がデタラメでは、正しい判断、対応はできません。
医療の進歩によって、病人が減るどころか、増えているという状況がそれを証明しています。
では、なぜ、このような一面的な決めつけでは、問題解決に導けないのかです。
ここでは、善悪二元論の罠について、コレステロールを例に考えていくことにします。
コレステロールは、悪玉のLDLと、善玉のHDLの2種類に分けられています。
悪玉のLDLは、増えすぎると動脈硬化が進み、心筋梗塞のリスクが高まるとされています。
でも、実は、LDLもHDLも、別の種類ではなく同じものなのです。
LDLには、肝臓で作られたコレステロールを身体の各組織へ輸送する役割があります。
HDLには、身体の各組織のコレステロールを肝臓へ回収する役割があるのです。
一般には、LDLコレステロールは、動脈硬化の原因物質のように思われています。
でも、LDLコレステロールは、私たちの身体にとって、必要不可欠な物質なのです。
私たちの身体(筋肉や血管、内蔵などあらゆる器官)は、細胞でできています。
LDLコレステロールは、その細胞膜を作るための材料になります。
また、ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモンや性ホルモンなど)の材料にもなります。
したがって、LDLコレステロールが不足すると、細胞そのものがひ弱になってしまいます。
血管も、もろくなって、脳出血を起こしやすくなるのです。
神経の機能が衰えると、不眠やうつ病、痴呆症になる危険性も増します。
免疫の機能も衰え、ウイルスやガン化した細胞を排除できなくなります。
特にガンは、コレステロールの値が高いほど罹患しにくいことが分かっています。
新型コロナ感染症でも、重症者ほどコレステロール値が低いとの報告もあります。
このように、コレステロールは、身体にとってとても大事なものです。
正常値が、総コレステロールが220未満とされていますが、これでは低すぎます。
統計でも、総コレステロールの値が、220~280が最も長寿という結果がでています。
ところが、検査で、コレステロール値が高いと、低下薬が処方されることになります。
特に危険とされているのがスタチン剤です。
スタチン剤は、コレステロールの生成を阻害するお薬ですが、それだけではありません。
コエンザイムQやドリコール、ビタミンDなど、重要な物質の生成も阻害してしまいます。
(コエンザイムQ=エネルギーを生み出す/ドリコール=細胞の構成や識別に必要な物質)
スタチン剤によって、細胞の生成が阻害されると、細胞が壊死したりガン化してしまいます。
細胞が壊れるのですから、あらゆる器官に影響がおよぶ可能性があるのです。
神経細胞が死ぬと認知症に、膵臓の細胞が壊れたら糖尿病に、というように…
コレステロール低下薬で、180未満まで下げられた人は、280以上の人の5倍、ガンの死亡率が上がったという記録もあります。
コレステロール低下薬で免疫力が衰えると、日々、発生しているガンを排除できなくなるのです。
このように、コレステロールは、私たちが健康を維持していく上でとても大事な物質なのです。
では、なぜ、それが動脈硬化の原因物質のように言われているのでしょう。
私たちは、日常的に、過剰な糖質や酸化した油、食品添加物などの毒性物質を摂取しています。
毒性物質は、身体を巡って私たちの細胞を変質させます。
でも、その変質した部分は、免疫によって除去され炎症を引き起こします。
その炎症を修復するために動員されるのがコレステロールなのです。
でも、乱れた食生活(加工食品ばかりを食べているなど)を続けていると炎症も酷くなります。
そうなると、修復が追いつかず、コレステロールが動脈に沈着し始めるのです。
たとえるならコレステロールは、火事を消しに来た消防士です。
そして、火の手が激しく延焼し、消火が追いつかなくなると、多くが殉職してしまいます。
その消防士に対して放火魔というレッテルを貼って、真犯人をひた隠しにしているのです。
このような詐欺的手法に多くの人々が騙され、お薬に依存するよう仕向けられてきました。
お薬に依存すると、その副作用で新たな病気を生むという悪循環に陥ります。
そして、病気が増産され、巨額な利権を生み、ますます製薬企業が栄え巨大化していきます。
人々が、メディアや医師を盲信するという現状から脱却しない限り、この状況は変わりません。
医療を健全化するためには、医療を受ける私たちが賢明になるしかないのです。